自由研究

メモ用

なにかありましたらどうぞ。

なぜ男性声優楽曲なのか

この2つのカテゴリしか今後使わないんだろうからカテゴリ作る意味があるのかというのはさておき、そもそも、なぜこんなにも男性の声優が歌う楽曲(これを略して男性声優楽曲と呼んでいます)に魅力を感じるのかということをあらためて考えてみる。


いきなり自分語りしちゃいますが、わたしと男性声優楽曲の歴史は比較的浅いのです。というか女性声優の歌っている曲にたいしては詳しくはないにせよレアグルーヴ的な感じで認識してはいたものの、それこそ男性声優の歌う曲なんてイメージすら浮かびませんでした。
わたしの男性声優楽曲との出会いはずばり『Turn of my life』と『KEEP YOUR VIRGINITY 〜乙女番長 THE BEST〜』の2枚です。この2枚がいまにいたる道筋を決定づけたと言ってもけっして過言ではない。

乙女番長のアルバムはじつはあの松井寛氏がプロデュースしています。しょうじき男性声優の歌う曲なんてすっかり舐めきっていた自分はその事実にまず衝撃を受け、さらにそのことが全然話題になってなかったということにさらにショックを感じました。ちなみに松井さんはテニプリにも一曲書いてます。。。めっちゃSweetS
キラ★キラ

キラ★キラ

同時期に自分のなかではかなり印象的だった事件(笑)があって、『魔界王子』のオープニングの「Believe My Dice」という曲があるんですが、かなり細かく網羅されていたにもかかわらずリスアニの夏アニメ主題歌レヴューの特集からなぜか魔界王子だけ漏れていた、、たしかに話題作ではなかったのですが、楽曲まわりをF.M.F(すみません。このへんの楽曲製作者に着目したdigについては次回書きます)が手がけていたこともありなぜ、、、と釈然としない思いを抱きました。ただ、つまり逆にそんなに表に出てないところに自分が知ることのできてない領域が絶対あるはずと確信したのも確かで、だったらまず自分で勝手にランキング発表したら誰かがいやこれが入ってないだろとか教えてくれるんじゃないかと思って始めたのが超個人的男性声優楽曲大賞だったのです。
自分はもともと女性アイドルが好きなんですが、女性アイドルのおたくはわりと楽曲について語りたがる傾向がある気がしていて、その延長線上で女性声優の曲も言及されることはあって。女性の場合i☆Risとかゆいかおりとかみたいな存在もいるし、声優とアイドルの境界って比較的緩いじゃないですか、、べつにそうなってほしいわけではないんだけど、というかしょうじき女性声優の楽曲についても(沸ける沸けないとかじゃない)音楽的な、というかまあ楽曲派的な語りが多くあるわけじゃないんだろうけど、でも沖井さんが楽曲提供したりとかいう流れもあって語られることがけっしてなくはなかった。でも男性声優の楽曲についてなにかしらを語ってるひとって全然みつけられなかったんですよ。でも男の声優が歌ってるってだけで聴かない対象にされるのもったいなさすぎるし、女おたは好きな声優が歌ってればなんでもいいんでしょみたいな空気感も嫌というか、みえないだけで、もしくはみんな口にしないだけで、みんな自分なりのいい曲の基準は持ってるはずという推測もあったから、知らないいい曲を知りたいのにくわえて男性声優楽曲という存在の地位を上げたい(おこがましすぎる言い方ではあるが、、)みたいなもくろみもちょっとあった。このへんにかんしてはそれこそヒプマイとか出てきてからだいぶ変わった気がします。

さて、果敢にも男性声優の曲をこれいいんだよーとまわりに薦めてしまったときに返ってくる言葉第1位、それは「でも、歌い方くどいよね……」でしょう。たしかに言いたいことはわかるし、いまでこそもはや麻痺してしまいましたが、これ歌い方普通ならもっと気兼ねなくみんなに薦められるのになあと思った曲もしょうじきあります。ですが、この声優独特の歌い方こそが、声優楽曲を声優楽曲たらしめているのです。
わたしが考える声優楽曲の最大の特徴は、歌唱力と表現力はかならずしも比例しないという点です。声優は歌が本職ではないので、歌がそんなに上手くない声優ももちろんいる。けれどその代わり声優は声で演じることのプロです。ここに、歌唱技術だけみればいまいちなのに表現力に富んでいるという奇妙なねじれが生まれ得ます。さらにはキャラクターソングの場合、声優本人は歌が上手くてもキャラクターの設定として歌が上手くないというねじれもあり得ます(このあたり、キャラソンというのは声優楽曲のなかでもさらに特殊なジャンルでそれも魅力の一端なのですが、また長くなってしまう、、)。
そして声優楽曲の特殊なところは、下手だから歌わせないという理屈が通用しないところです。アイドルグループなら歌の上手いメンバーの歌割りを増やすなり、加工をかけまくったり、ほとんどユニゾンにしてしまうなりできますが、声優のとくにキャラクターソングの場合、完全に不可能ではないにしろなかなかそのような手段は難しいところです。ゆえに、声優楽曲というジャンルでは作り手の側は声優の特殊な声と歌い方をどのように処理するかという手腕がつねに問われているといっても過言ではないわけです。
歌唱力の問題だけじゃなくて、たとえば声優のラップというものはアイドルとか俳優とかのするラップとは本質的に異質です。それは声優という職業の特性上、歌詞が聞き取りやすく、メッセージがより伝わりやすく感じられます。どちらかというと声優のラップはポエトリーリーディングとの境界が曖昧な点もあるかもしれません。上の歌唱力の話とも絡むけど、じっさい(セリフではなく)ポエトリーリーディングを効果的に活かした曲も男性声優楽曲にはいくつかあります。(野島健児さんはこの路線の先駆者と言っても過言ではない)

Gray Zone

Gray Zone

Stella

Stella

Regret

Regret

  • 畠中 祐
  • アニメ
よくアイドルソングの魅力を語るときにアイドルが歌ってればなんでもオッケーだからって言われますけど、声優の歌う曲ってそれ以上になんでもありというか声優楽曲以上になんでもありなジャンルってないと思います。だって上記のラップやポエトリーもそうだし、なんならリップ音さえも楽曲の一要素として成立させちゃうわけだし。
で、以前は男性声優楽曲のシーンは世間より2周くらい遅いって思っていたわけです。じっさい男性声優といえばこういう楽曲だよねというイメージどおりの様式美もあったし、むしろそれをやいのやいの言いながらいい曲を掘り当てていくのが楽しくもあったんですけど。けれど、この数年のあいだにそのスピードが加速し始めた感じがひしひしとしていて、それこそ西山宏太朗くんや斉藤壮馬くんのようなニューエイジ声優がアーティストデビューしたことによってかなり状況変わりつつあります。そして個人的にもほかのジャンルのシーンに完全に追いつく必要もなくて、流行ってる要素を取り入れつつも独自の変異を遂げていけばいいんじゃないかと思うようになってきました。
自分のなかで最初にそのきっかけになった、男性声優楽曲の特異な可能性に気づかせてくれたのが上述の野島健児氏のアルバムと、Growthの1st EPでした。とくにこの「ラダ・キアナ」は男性声優楽曲界に一石を投じた、エポックメイキング的な曲だと思います。

はてなブログになって曲貼りやすくなったから声優トランスとか声優ドラムンベースとか声優トラップとかの縛りで好きな曲貼ったりしてみようかな。どれも1曲ずつしか知らないが。。2017〜2020くらいの曲もうちょっと掘りたい。