自由研究

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なにかありましたらどうぞ。

超個人的男性声優楽曲大賞2020(前編)

なんの脈絡もなく突然復活しました。いままでのやつは適当に検索してください。。
ルール
・2019年12月〜2020年11月に発表された男性声優の楽曲が対象
・1枚のアルバムから選べるのは1曲だけ
・ただし、これは!と思う1枚のみ2曲選んでもいい
なんでこれが入ってないの?という意見もありましょうが、これでも10曲くらい削ったので、、みなさまも自分のランキングを作ってみることをおすすめします。そしていつもどおり、あまり音楽的なことは書いてない。


30. ZERO LIMIT / 秋組
『ZERO LIMIT / Thawing』2020.11.25 ポニーキャニオン
作詞・作曲・編曲:R・O・N
これは? オルドコデックス? と思わず口をついて出そうな……っていうか実際に出た。それくらいの安心感。

29. Summer Day / 内田雄馬
『Image』2020.8.26 キングレコード
作詞・作曲・編曲:SHOW
楽曲大賞をやっていなかったこの2,3年の間にいろんなことが起こっていましたが、雄馬くんがキングからデビューしたことはそのなかでもけっこう大きめな衝撃トピックでした。。これはそつなく耳に残るアッパーなサマーチューンで、きっとタオルとか振り回してるんだろうな、、と思わせられつつもただのタオルミュージックで終わらずおしゃれさがまぶされてるあたりが好感持てます。

28. 絆の鳥/ VAZZY
『「VAZZROCK」COLORシリーズ [-BLUE-] 「Once in a blue moon」』2020.8.28 ムービック
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:zakbee
温度感低め、浮遊感あるイントロから続く四つ打ち、サビ前で盛り上げつつクールさは保持したままの優等生的展開で進んでいきますが、Cメロでちょっと雰囲気が変わり最後のサビで感情が露わになる展開が過剰すぎずドラマチック。

27. Follow Me Now / 宮野真守
『光射す方へ』2020.4.22 キングレコード
作詞・作曲・編曲:HIRO
ほとんどワンループで進行し、ところどころに入るかけ声がマイケル・ジャクソン的な(毎度のことながら、適当に書いてますよ)ダンスナンバー。聴いてるうちに途中でJusticeの「D.A.N.C.E.」に移行する気がする。

26. One Morning / 柿原徹也×岡本信彦
『trust and play』2020.4.15 Kiramune
作詞:宮嶋淳子 作曲・編曲:睦月周平
「Last Lady」の流れを汲む淡々として流れるような一曲。なかなかどうしてこういうストレートな曲は男性声優界では貴重なのかもしれません。パートナーに出ていかれた男を描いた歌詞だけみれば重く感じそうなところを、いい意味でニュートラルな歌声と随所に挟まるウィンドチャイムふうの音が軽やかさをもたらしていて湿っぽさなく聴けます。

25. GAME IS MINE / SolidS
『SQ 「CARDS」シリーズ2巻 SolidS「DIAMOND」』2020.4.24 ムービック
作詞・作曲・編曲:滝沢章
清く正しく安心感あるソリッズですな。と書くとなんだかあれですが、スタイルが確立されていることは弱みでもある一方強みでもあると思うのです。これはほかの多くの曲にも言えることですが。。華やかなホーンと執拗なコーラス、さらに最後ちょっとだけ譜割りがずらされる意地の悪さが"ソリッズらしさ"を醸し出しているのかなあ。

24. UNIVERSAL GRAVITY / 小野大輔
STARGAZER』2020.10.24 ランティス
作詞:JOE 作曲:Luis Ogata、鈴木エレカ 編曲:Luis Ogata
小野さんはこういう派手で大仰な曲がつくづく合ってると感じます。積み重ねられたコーラスと絶妙な溜めのドラム、そこにスライドギター的な音がアクセントを加え、小野さんらしいゴージャスな世界観を作り上げてます。

23. Truth or Lie / 天野真宮(CV:住谷哲栄)、常磐百合人(CV:坂田将吾)、泉星(CV:佐香智久)、猪狩雪緒(CV:熊谷健太郎)、黒川南雲(CV:河西健吾
『スパイ百貨店 Music&Drama Order#1』2020.8.26 サイバード
作詞・作曲:永塚健登 編曲:大沢圭一
入れ替わり立ち替わり現れるヴォーカルに、なにかに急き立てられるかのようにせわしなくリズムが刻まれるおもちゃ箱のような一曲。各人のソロパートで歌い継いでいく方式からサビではじめてユニゾンになる基本に忠実な進行が安心感あります。

22. BLACK DEJAVU / BLACK DEJAVU
うたの☆プリンスさまっ♪ Another World ~WHITE&BLACK~ テーマソングCD』2020.4.15 ブロッコリー
作詞:RUCCA 作曲・編曲:竹田祐介(Elements Garden)
この2020年のランキングを貫く裏テーマは"不穏さ"だと勝手に感じているのですが、この曲もエレメンツガーデン特有の壮大さ、ドラマチックさみたいなものは残りつつ、それがむしろ感動よりも解決されない緊張を作り出してるのがいままでと少し違う点かと思います。

21. ナイトウィルカム / 魔王タソガレ(CV:松岡禎丞) & 勇者アカツキ(CV:下野 紘)
『快眠! 安眠! スヤリスト生活』2020.10.28 ランティス
作詞・作曲・編曲:タナカ零
いったいなにをどうしたらこういう曲が生まれるのか、、、。スローなトラックに乗るのは下野紘の合ってるんだか合ってないんだかいまいちよくつかめない歌声につぐ様と下野紘の微妙に協和しないハモりという、あらゆる意味でカオスというかキメラ的な楽曲。聴いているうちに心が不安になるとおもいきや、途中からその混沌が謎のハーモニーと心地よさを生み出し癖になることまちがいなし。

20. B R A V E R Y / UNICORN Jr.
ピタゴラスインフィニティベスト"U" (4+2+3=9)∞ UNICORN Jr.盤』2020.3.25 Rejet
作詞:Daisuke Iwasaki 作曲:MIKOTO 編曲:久下真音
Rejet楽曲はそのほぼすべてがさまざまな"不穏さ"を体現していると考えてますが、とくに不穏さのなかにあるポップさ、あるいは過剰なポップさのなかにある不穏さを体現してるのがユニコーンジュニアなんでしょうか。といってもRejetにありがちな派手なギミック要素はほぼないのですが、起伏がないまま進んでいくのにもかかわらずどこかチープかつスペーシーな印象を与える音づかいがその不穏さを生んでいる気もします。というかこの曲名の空き何。。

19. The Tempest Night / fine
あんさんぶるスターズ!! ESアイドルソング season1 fine』2020.7.29 フロンティアワークス
作詞:松井洋平 作曲・編曲:陶山隼
こういうミュージカル調の曲って体感的に最近流行ってると思うのですが(ex. 宮野真守「LAST DANCE」、古川慎「本日モ誠ニ晴天也」)、そのなかでも出色なのがこれかなと。華やかなビッグバンド調でありつつ、落ちサビのぐっと楽器が少なくなるあたり松原憲先生的なアーバンさをも感じさせて好きです。

18. MY LOVIN' / 大山直助(CV:笹翼)、名積ルカ(CV:河本啓佑
『「VAZZROCK」bi-colorシリーズ2ndシーズン⑨「大山直助-citrine×morganite-」』2020.2.28 ムービック
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:zakbee
90年代初〜中期渋谷系的な、どこか享楽的なポップさがけっして巧みとは言えない歌声と逆に調和して絶妙なバランスを生み出していると感じます。躁鬱どちらかに振り切った曲が多めに感じる今回のランキングにおいて、逆にこの感じは新鮮かもしれない。。

17. サンクチュアリ / スイートオリーブ(CV:土岐隼一
『「アニマルセラトピア」うたとドラマシリーズ Vol.2』2020.9.30 MAGES.
作詞・作曲・編曲:MakiAdachi
土岐くんの歌って声量あって上手いけど、そのどこかシンフォニックに響く声質ゆえにじつは活かすのが難しいんじゃないかというか、結果的に聞こえ方がワンパターンになりがちなんじゃないかとうすうす感じていたんですが、これはスウィングジャズ的な方向性がものすごく成功してる感があります。

16. Endless / 狗丸トウマ(CV:木村昴
『Wonderful Octave』2020.11.29 ランティス
作詞:浦島健太 作曲・編曲:山本玲史
単純に聴いてて心地よいさながらヒーリングミュージック的趣で始まりますが、そこに乗るともすれば暑苦しくなりそうな力強さを湛えつつも抑えた歌声と、まさにタイトルどおり「endless」の連打が絶妙なアクセントとなってます。随所で微妙にロキノン感ある音色が使われてるのもツボ。

15. Break The Wall / 山田一郎(CV:木村昴
『Buster Bros!!! -Before The 2nd D.R.B-』2019.12.25 キングレコード
作詞:好良瓶太郎 作曲:西寺郷太 編曲:西寺郷太・冨田謙
声優楽曲、というものにたいする思想はもちろんひとそれぞれ違うものだと思うのですが、あくまで個人的にはヒプマイ楽曲は声優的なものと声優的でないもののバランスをかなり理想的な、かつ危うい割合でとっていると感じます。ここで唐突にパラドックスライヴの話をしますが、、ヒプマイとパラライの最大の違いは楽曲における声優臭の強さにあります。本来声優楽曲における声優臭というものは、まあ魚が生臭いのと同じでそうそう簡単には消えません。それを、どのような手段で弱めるのか、あるいは逆に強めるのか、またどのくらい残すのか残さないのか、というところにその作品やレーベルの思想がはっきりと表れます。そしてパラライはこの声優臭さを完全に脱臭する方向に舵を切りました。最初のうちこそなぜあれだけのメンツを揃えておきながらそんなことをするのか疑問でしたが、これはこれでもちろん、ひとつの正しい選択です。なぜならそれは狙っているターゲットが明確に違うからであり、一般的なJ-POP(うーん、、微妙に語弊があるが伝われ)に混じって流れていても声優の曲と判別できないその作りこそが「実在してるグループみたい」というコメントにおいて讃えられているさまを目にして、楽曲のクオリティは高くともわたしの心にいまいち響かなかった理由にやっと得心がいったのでした。。
前おきが長い。ヒプマイは声優臭さはあくまで声優臭さそのものとして残し、楽曲において脱臭ではなく中和のみをする方向性と理解しています。この曲でもそれは例外ではなく、クールで硬質なトラックとザ・声優そのもののポエトリーが不思議な化学反応を生み、そこから一気に開放感のあるサビになだれ込むのが独特のカタルシスにつながっています。

14. Okay. / 宮野真守
『LAST DANCE』2020.1.29 キングレコード
作詞・作曲・編曲:STY
後ろでくるくる廻り続けるループが耳に残る。少しチルアウトを意識した感もあります。これも「Follow Me Now」と同じくワンループ系ですね。

13. Secret of Metropolis / Double Face
あんさんぶるスターズ!! ESアイドルソング season 1 Double Face』2020.10.28 フロンティアワークス
作詞:松井洋平 作曲:西寺郷太 & 谷口尚久 編曲:谷口尚久 & 西寺郷太
この時代にこんなベタなニューウェーヴなんて、、と冷静に考えたら思うのですが、なぜか鳥海さんの歌声と80年代的頽廃感の相性がよくて気になりません。声優界のスモールボーイズがここに。

12. Everlasting Story 《TV Ver.》 / 三ヶ嶋紫峰(CV:岩崎諒太)
『Everlasting Story』2020.10.14 日本クラウン
作詞:瀬良羽美 作曲:河村利典
こういうよくわからない深夜アニメ(婉曲表現)の曲ほど名曲が隠れてるのはいったいなんなんでしょうか? こんなにもソウルフルの無駄遣いがなされている曲もほかにないでしょう。ツーステップぽい跳ねるリズムがアーバンでかっこいいのに、歌われるフレーズは脱力感、、、このギャップがむしろ狙いなのか?

11. Qと銃 / ワトソン&モラン [兵頭九門、兵頭十座(CV:畠中祐武内駿輔)]
『A3! MIX SEASONS LP』2019.12.18 ポニーキャニオン
作詞・作曲・編曲:Sasakure.UK
この曲にかぎらずですが終始淡々と抑えた調子で進んでいくのがここ2、3年のトレンドを思わせます。Aメロの前の念仏めいたつぶやきをはじめとした起伏の少ないメロディの後ろで声とも音ともつかないサウンドエフェクトたちが主張するさまはもはやどちらが主役か判然としなくなってきます。


ふつうにブログの書き方を忘れているという事実に気づいた、、、そして知らないあいだに男性声優楽曲界のトレンドめっちゃ進んでる気がする!! 後編はもう少し早く出せる予定です。がんばります。